カメラ、デジカメ

Nicca TYPE-4の距離計の調整

先日修理の完了したNicca TYPE-4であるが、最後の仕上げ距離計の調整である。

修理でレンジファインダを分解清掃したので、其のまま組み上げただけでは当然距離計が狂っている。
そこで、最後に距離計を調整する必要がある。
距離計の調整は2カ所を調整することとなる。

上の写真は距離計の調整のためにレンズを付け、距離計の窓の正面から見て左側の飾りリング、中央の画角ファインダの脇にあるビスを外したところ。
先ずは中央の画角ファインダの脇にあるビスを外した穴に細いマイナスドライバーを差し込んで、その奥にあるネジを左右に回して無限遠の位置を調節する。
レンズを無限遠の位置にして、なるべく遠くの建物等を目標にして横位置が一致するように調節する。
だいたい調節できたら次に左側の飾りリングを外した所にあるリングをジャンクコンパスなどで左右に回して縦位置が一致するように調整する。
最後に無限遠で縦位置と横位置が一致するように2つの調節箇所を微調整する。
レンジファインダの距離計は、無限遠さえ合ってればその他の距離もあっているので無限遠が調整できていればよい。

これで漸くNicca TYPE-4がカメラとして使えるようになる。

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Nicca TYPE-4の修理 その2

昨日の続き、Nicca TYPE-4の修理である。

シャッター幕は、竿から剥がす前に縦幅と横幅を計ってメモしておく。
剥がした後に竿に接着剤や糸くずが付いているのでこれらも綺麗に剥がしておく。

シャッター幕の状態であるが、シャッター幕そのものは先幕、後幕共にボロボロだったが、シャッターリボンも後幕の下のシャッターリボンが切れていた。
よって、シャッターリボンも交換する。
切れたシャッターリボンは長さを測ってメモしておく。
シャッターリボンやシャッター幕はインターネットに通販で専用のものを購入したのだが、ちょっと大きめのカメラショップならこうしたリペア用品が売っているところもある。
シャッターリボンは元のシャッターリボンより1cm程長く切っておく。
シャッターリボンの竿に付ける側に両面テープを付けて、竿に折り込むように取り付ける。


今度はドラム側に付けるのだが、先ずはドラムに通すために厚紙をリボンの先端にセロハンテープで付けておく。

この厚紙をあらかじめ少し曲げておいて、ドラムの隙間に厚紙を通していく。

こうして厚紙と共にシャッターリボンをドラムの間に通してやる。
シャッターリボンが通ったら、ドラムに巻き付ける側にも両面テープを付け、上のシャッターリボンと同じ長さになるように、ドラムを巻き取ったときに竿が垂直になるように調整しながら、ドラムに取り付ける。


これでリボンの取り付けは完了である。

因みに、シャッターリボンやシャッター幕の取り付けに両面テープを使用している理由は、

・簡単に作業ができる。
・次にメンテナンスするときに作業しやすい。
・両面テープの粘着強度を超える力はかからないし、もし粘着強度を超える力がかかるようなら両面テープが剥がれる前に竿が曲がったり、テンションのスプリングが切れたりする。

と言った理由からである。

次にシャッター幕である。
先幕と後幕のシャッター幕を切り出す。

後幕は縦幅は以前メモしておいた幅に、横幅はなるべく長めに切り出しておく。
後幕の横幅は、元のシャッター幕の横幅の長さでなくても良く、できれば長くしておいた方が作業がしやすい。
先幕は縦幅は以前メモしておいた幅に、横幅は以前メモしておいた長さより1cm程長く切り出しておく。
切り出したシャッター幕の端にシャッター幕と垂直になるように両面テープを貼っておく。

先ずは後幕から。
竿に垂直になるように両面テープを付けた面の奥側にを竿に貼り付ける。

貼り付けたら、其のまま竿の端を軸に内側に折り曲げて竿に取り付ける。

反対側はシャッターリボンと同じ要領で厚紙を取り付け、テンションドラムの間を通す。


通し終わったら、後幕をシャッターチャージした位置にセロハンテープで固定し、ドラムに巻き付ける分を残して、後幕を切り落とす。
ドラムに巻き付ける部分に両面テープを貼り付けて、テンションドラムに取り付ける。

次に先幕だが、その前に後幕のテンションをある程度上げて後幕がテンションドラムに巻き付くようにしておいた方が作業がしやすい。
先幕も、後幕同様に竿に取り付ける。


反対側も後幕と同じ要領で厚紙を取り付け、メインドラムの間を通す。


シャッターをほんの少し巻き上げて、後幕の竿の位置と先幕の竿が少し重なるように位置を調整しながら、両面テープでメインドラムに取り付ける。
此處の調整が一番大事で、巻き上げ時は完全に遮光されていなければならず、シャッターボタンを押したときにはシャッターが開いていなければならない。
メインドラムへの取り付けが失敗したときには、再度はがしてメインドラムに取り付けよう。
此處は、両面テープの利点が生かせる。
両面テープなら剥がすのは簡単だし、再度取り付ける際には新しい両面テープを用意してやればよい。
うまくできれば、巻き上げ時には完全に遮光がされている。

次にシャッター調整である。
シャッター調整する前にシャッターの動作に関わるギアに注油していく。
注油部分はシャッタースピードの調整機構、

シャッターチャージのストッパー、

スローガバナーである。

その他に、シャッターの巻き上げ時に動作するギアにも注油しておくと良い。
注油は、シリンジを使用してほんの少ししみこませる程度にしておく。
特にスローガバナーは、注油しすぎるとかえって動作が慝くなる。
くれぐれも1滴垂らすような事はしないように。
注油は1滴では余りにも多すぎだ。
その後、先幕と後幕のテンションを上げてシャッター調整をする。
シャッター調整の目安は、

・最高速度のシャッタースピードでシャッター幕が開いていること。
・最低速度のシャッタースピードでシャッターがちゃんと動作していること。

この2つを目安にすると良い。
また、テンションはなるべく弱いテンションで上の2つの条件が満たされることを目標とする。
テンションが強すぎると、シャッターの破損の原因となるので注意する。
この時代のカメラのシャッタースピードは、現在の電子式のシャッタースピードのような正確さを求めてもムダなので、上記の2つが満たされていれば問題ない。
最後に全てのシャッタースピードを試して問題がなければ良しとする。

次にファインダの清掃である。
ファインダの清掃は、早い話、曇ったガラスを磨くことである。
先ずは、清掃できるようにファインダを分解。

分解したら、カメラのレンズクリーナを綿棒に含ませてガラス部分を力を入れずに軽く拭き取っていく。

レンズクリーナは、アルコール系はではなく水性の界面活性剤のものを使用する。
古いカメラは塗装や接着剤がアルコールで溶ける物が有るためである。
清掃が終わったら、ファインダを組み立てて、ボディに取り付ける。

此處まで終わったら、後はひたすら元の形に組み上げるだけである。
但し、組み上げ途中で都度都度シャッターを動かしてきちんと動作することを確かめること。
組み上げ方がまずくて、シャッターが動作しないことがあるからだ。
これで、修理は完了である。

後は、レンジファインダの調整をするが、其れはまた次の機会に。

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Nicca TYPE-4の修理 その1

今日は晴れ。
久しぶりに暑い日だ。

先日買ったNicca TYPE-4の修理を開始した。

修理の内容としては
・シャッター幕の交換
・各可動部の清掃、注油
・ファインダの清掃

未だ途中なので今回はその1回目と云うことで。
先ずは、結構汚れているので外観を綺麗に。
ビフォー

アフター

続いてレンズマウントの取り外し。

レンズマウントは4本のビスで固定されているので、その4本のビスを外す。
ビスを外してレンズマウントを外すとフランジバック調整のための薄い金属板が挟まっているので位置と枚数を記録しておく。
また、レンズマウントのビスはボディに付けられているのではなく、更にボディの裏のビスを固定するための固定板に付けられているので、この固定板も外しておく。

続いてマウントの周りの3つのビス、軍幹部の前の4つのビス、軍幹部の後ろの3つのビス、スローシャッターダイアルを外す。

軍幹部の前の4つのビスの内の1つのビスは皿ネジに為ってゐるので注意。
また、スローシャッターダイアルを外さないとその下にある固定ネジが外れない。
これでも未だボディは外せない。

底蓋を外したところにある、底カバーを外し、シンクロターミナルとシャッターの連動する機構を外して、シンクロターミナルから来る配線を外す。

これは別にハンダで固定されているわけではないので、連動機構を外すだけでよい。
これで漸くボディが外せるようになる。


ボディを外すときは、薄いプラスティックのカードを差し込んでフィルム圧版を保護しておく。
そしてゆっくりとボディを引き出す。
途中でシンクロターミナルの接点が引っかかるので、右に少しずらして更に引き出す。
こうしてボディが外れる。

次に遮光板を外す。

上に1つ、下に2つのビスで固定されているのでそれらのビスを外す。
更に、フォーカス連動レバーを外すことで遮光板が外れる。
シャッター幕が酷い状態に為ってゐるのが分かる。

次にファインダーを取り出すために上のカバーを外す。


前後のネジを1本ずつ、アクセサリシュー、シャッターダイアル、フォーカスレンズ前2つ、後ろ1つを外す。
シヤッターダイアルはダイアル側面の3つの芋ネジを緩めるだけでよい。
フォーカスレンズは前の2つは飾りリングを外し、更に中にあるレンズを外す。中にあるレンズはジャンクコンパスで回して外す。
フォーカスレンズの後ろの1つは側面のビスを外して引き抜く。

上カバーをゆっくりと引き抜くことで上カバーが外れる。

ファインダーは両側面と後ろの計3本のビスを外すことではずれる。


これで一通りの分解は完了。

先ずはシャッター幕の交換。
シャッター幕をドラムから外す。

シヤッター幕は先幕、後幕共にボロボロなので共に外す。
外すときはゆっくりと力を入れてはがしていく。
此處までボロボロだと、ペリペリ外れていくが、接着剤でガチガチに為ってゐるときはエタノールをシリンジで注入しながら外していくと良い。

外した後のドラムは幕の欠片と接着剤が付着しているので、エタノールを綿棒などに含ませて拭き取るように掃除する。

完全に綺麗にする必要はなく、ある程度綺麗になればよい。

今日はここまで、続きはまた後日。

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Nicca TYPE-4

今日は晴れ。

今日も何時ものよーに神保町&秋葉原へ。
今日の秋葉原。

今日買ったもの。
「暗闇心中相思相愛」

「Nicca TYPE-4」

1953年発売。
807番台。
カメラのキタムラでジャンクとして購入。
ジャンクなので、外観は酷く汚れている。
何年も何処かに置きっぱなしにされていたようだ。
シャッターは動作はするものの、シャッター幕はよれよれで所々破れている。
ファインダーは曇りが酷い。
ファインダーの飾りリングが1つ無くなっている。
以上のような酷い状態なので、当然価格も安かった。
後日修理するつもり。

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ZUIKO 50mm F1.8の分解清掃

今日は晴れ。
少し宿酔い。

昨日購入した、F.ZUIKO 50mm F1.8を分解清掃。

曇りがあるのは中玉なのだが、取り敢えず分解できるところまで分解して清掃した。

今日届いたモノ。
「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」&「スプリング」他」

前橋汀子、ヴァイオリン演奏。
クリストフ・エッシェンバッハ、ピアノ演奏。

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