此のページでは、本格的にカメラを塗装するのでは罔く、なるべく簡単に塗装する事を目的とする。
1、焼き付け塗装はしない。拠って、分解等はしない。
2、元の塗装は剥がさない。
3、完璧は求めない。新品同様にするのでは罔く、しかし、如何にも剥げた處を塗りましたよと云わんばかりの塗装をするような事はしない。
4、あくまで自己責任で。
此處で、塗装に使う塗料なのだが、プラモデル用のラッカー塗料が最も簡単入手できる。
しかし、塗装面の強度が意外と弱い。
だからと云ってウレタン塗装では手間が掛かりすぎる。
で、使用する塗料は、
「染めQ」である。
製品情報は此方。
ぢつは此、革、布、プラスティック等、殆どのモノに使える塗料であり、塗装面の強度も慝くない。
つまり、カメラでは金属表面、貼り革、プラスティックの部分に使用出来る。
特に貼り革はカメラがブラックの場合、剥がすこと罔く革以外の部分と一緒に塗装できる子細である。
実際にやって覽たのだが、全く問題が罔かった。
で、先ず必要と為る染めQであるが、
染めQ クリーナー
塗装の場合、先ず絶対必要なのが下地処理である。
塗装面は確乎りとクリーナーで綺麗にする。
特に、水分や油分が付いてゐては、其処から塗装が剥がれる原因になるが、其れよりも金属では塗装面の下から錆びてしまうからだ。
よく野外の階段の手すり等がペンキが浮いて塗装の下から錆びているのを眼にした事は罔いだろうか。
其れは塗装の下の金属の表面に水分や油分が残っていたからだ。
なので、下地はクリーナーで徹底的に綺麗にしておく。
多少元の塗装が剥げても構わない。
どーせ塗装するのだから。
染めQ プライマー
再度下地処理である。
染めQの得意とする處は革製品や布製品である。
なので貼り革だけを塗装するならばプライマーは不要である。
しかし、金属やプラスティックの場合は下地処理としてプライマーを吹いて下地と塗料の喰い付きを佳くする必要がある。
別に革の場合でもプライマーを吹いても構わないので、貼り革と金属を一緒に塗装する場合は、一緒にプライマーを吹いておく。
染めQ 各色
実際の塗料である。
色数は其れ程豊富とは云えないが、カメラの塗装で其れ程サイケデリックな塗装はしないだろうから十分とも云える。
但し、メタリック系の塗料は止めといた方が佳い。
特にメッキ塗装している部分では、安っぽい色にしか為らないからだ。
尚、染めQについては東急ハンズにも\2,000程で売っているのだが、交通費と販売価格を考えると、通販だとだいたい\1,800前後なので、送料を考えても通販の方がお得である。
その他の必要な道具
マスキングテープ
塗装しない處を覆い隠すのに必要。
成る可く粘着力の弱いモノを選択する事。
アートナイフ
はみ出したマスキングテープを切り取るのに使う。
替え刃は必ず用意しておいた方が佳い。
塗装ブース
吹き付け塗装なので当然塗料が飛び散る。
段ボール箱を横にして、簡易塗装ブースにするのも佳い。
OAクリーナなど
塗装後の仕上げに使う。
水性のクリーナである事。
アルコール系や有機溶剤系は厳禁。
セーム革、シリコンクロス
カメラ用のモノで佳い。
最後の艶出しで使用する。
有ったら佳いモノ
新聞紙
塗装するモノの下に敷いて置く。
別に新聞紙で罔くても佳いが、塗料を吸い込む紙質のモノが望ましい。
ピンセット
マスキングテープを剥がすのに便利。
コート剤
コート剤には光沢、半光沢、艶消しが有るので塗装表面を好みに因って仕上げる場合に使用する。
プラモデル用の仕上げ塗料や、トップコート等が比較的手に入り易い。
染めQ リムーバ
塗装に失敗した時等、専用の剥がし剤が有ると便利。
ガンダムマーカー 消しペン
はみ出した塗料等を落とすのに便利。
ペンタイプなので細かく落とす事が出来る。
塗装についての注意点
実際の塗装
却説、実際の塗装であるが、此處では簡単なモノとしてレンズフードを塗装して覽る。
実際のカメラも要領は同じなので、レンズフードでどんなモノか、ある程度理解した上で挑戦して覽ると佳い。
塗装の生け贄・・・、もとい、塗装の対象はライカのレンズフードITOOYである。
黒の部分の塗装の剥げや剥がれが結構有るので、此處の部分を塗装する。
先ずはマスキングテープでマスキング。
はみ出したマスキングテープはアートナイフ等で切り取るのだが、此の時余り力を入れてマスキングテープを切ると下の本体にまで傷が付くので力を入れ過ぎない様に。
又、アートナイフ等は成る可く切れ味の佳いモノを使用し、切れ味が慝く為ったら即刃を交換する事。
マスキングが終わったら、クリーナーで徹底的に塗装面を綺麗にする。
又、綺麗にした後に塗装面を触ってはいけない。
人間の指紋や皮膚の脂は意外に金属を腐食させ易い。
クリーニングが終わったら、プライマーで下地処理。
プライマーや塗料の吹き付けだが、今回の様に全体に吹き付ける場合は、吹き付けるモノの下に新聞紙1枚を4つに折り畳んで敷いて置くと新聞紙ごと回転させられるので、新聞紙ごと回転させながら吹き付けて逝くと佳い。
但し、新聞紙と接する面は必ずマスキングテープでマスクしておく事。
又、吹き付けは一度にシューーーーと吹くのでは罔く、シュッ、シュッ、シュッ、と細かく吹き付けて逝く様にする。
プライマーは透明なのでちゃんと吹き付けたか如何か見た目では領らないのだが、此處はちゃんと吹き付けたと信じるしか罔い。
又、プライマーは1回吹き付けて5〜10分後再度吹き付ける程度で佳い。
2回目の吹き付けが終わったら10〜20分程其のまま乾燥させる。
乾燥させたらいよいよ実際の塗装である。
実際の塗装もプライマーと同じ要領で吹いて逝く。
上の写真は2回ぐらい吹いた處。
もう2〜3回吹いておく必要がある。
最後の吹き付けが終わったら、30分から1時間其のままにして乾燥させる。
乾燥後、マスキングテープを剥がす。
マスキングテープを剥がす時は一気に剥がすのでは罔く、少しづつ丁寧に剥がして逝く。
ピンセット等が有れば、便利である。
マスキングテープを剥がすと上の様な状態に為る。
此の後、最後の仕上げをする。
最後の仕上げとは、塗装面を磨く事である。
気温や湿度の状態にも因るが、塗装後の表面は結構ざらざらしてゐる。
此は、吹き付け塗装で空中に舞って落ちて来た塗料の粉が表面に付いてゐるからだ。
此らは別に塗装面に食いついてゐる子細では罔いので、OAクリーナ等、水性のクリーナで拭いてやると佳い。
但し、絶対にアルコール系のクリーナや、染めQのクリーナを使ってはいけない。
OAクリーナ等で拭く時は、少し力を入れてごしごしと拭いてやる。
此處で塗装が剥げて下地が出て来る様なら、下地処理に失敗してゐると云う事に為る。
下地処理に失敗してゐるなら再度、染めQ リムーバ、アルコールや染めQ クリーナで塗装を落としてやり直そう。
又、マスキングしてゐた處もマスキングテープの糊が残ってゐる事が有るので、此處も拭いておく。
OAクリーナ等で拭いた後は、艶出しにセーム革やシリコンクロス等で仕上げてやる。
仕上げた後はこんな感じである。
もっと艶々にしたい場合は、プラモデル用のコンパウンド等を使って磨いてやっても佳いし、再度マスキングして光沢用のコート剤を吹き付けても佳い。
又、逆に艶消しにしたい場合は再度マスキングして艶消し用のコート剤を吹いてやるのも佳い。
其の当たりは好みで。
以上、実際にやって覽たのだが、最後に此の方法での欠点を挙げておく。
次は、実際にカメラ本体の塗装を実施する予定である。